緑のカーテン、はじめました

2016年夏、はじめました。終息期近くになってなぜか記録開始。そのほか日々のあれこれも。

イサの氾濫

 

イサの氾濫

イサの氾濫

 

 「イサの氾濫」木村友祐、未来社、2016年 読了。

新聞の書評を見た時から、きっと面白い、でもとても重い作品だろうという確信はあった。その語り口にはいきなり引き込まれる、だが集中力を要する。ともすれば日常的な生活に埋没し呑み込まれ、忘れたふりをしがちな厳しい真実に、まっすぐ目を向けさせられるから。そして、読みすすむ程に音読をしたくなってたまらなくなり、音読をすればするほど、自分の発声が、抑揚が、強弱が、「そうであろう」ものとは絶対的に違うだろうと思い知らされ、その他者性を突きつけられる。「氾濫」は、次第に「叛乱」と二重映しになってすさまじいエネルギーを発してくる。